大学に入った辺りから「ひとの話を聞き取りにくい」症状が顕著にあらわれている。

調べてみるとAPD(聴覚情報処理障害)という概念が提唱されてはいる*1
症状自体はかなり当てはまっている*2が、聞こえるときはちゃんと聞こえるし内容もわかるので、波があるのかもしれない。ちなみに現段階で有効な対処法はないらしい。せやろな

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さらっと調べて感覚と照らし合わせた感じ、自分の場合は純粋な特性というよりはワーキングメモリの問題と捉えたほうがよさそうではある。えっじゃあもうマジでどうしようもなくねえ?ワロタ ズッ友だょ🖕

小中高はそもそも授業も人の話も聞かず適当にやっていたので、今のような症状があったのかどうかすらわからない。英語リスニングはエスパーでなんとかしていた。現在はというと、英語でなされる研究発表の内容が全くわからず、ウケている。*3

音楽を聞く時自分は歌詞よりメロディやリズムを優先しがちで、ともすればサントラなんかを聴きがちだが、これはそもそも歌詞を聞き取れていないから、というのもあるかもしれない。というか基本、歌ってのは歌詞カードがあって初めて成立する(歌詞カードを横に眺めながら聴いて初めて歌の全容が理解されうる)と思っているんだけど、もしかして他の人は初聞でちゃんと歌詞も聞き取って意味を理解しながら音楽を聞いているのか?だったら体験としてクソデカいものを俺だけ損失しているということか?そうだよな は? ズルだろ 腹立ってきたな

ともかく音声言語を「言語」として取り入れにくいのだが、これは本を読むときも同様で、脳内で朗読しながら読んでしまうと内容がさっぱり入ってこない。映像として場面をイメージするつもりで読むとスッと入ってくる。

講義を聞くときもそうで、お話メインの講義は言語が「音」として脳を素通りするのを防ぐためにレジュメの該当部分を凝視したり、ジェスチャーに変換したり、不必要にメモを取ったりして脳に情報を留める作業をしている。そういう理由で書記を好みがち*4である。

講義や会議は注意して聞くなり手を動かすなりすればなんとかなるのでいいのだが、問題は日常会話だ。
とりわけ相手がヌルっと会話を切り出したとき、つまりこちらの聞く態勢が整っていないときが大変で、だいたい5割の確率で相手から何を言われたのかわかっていない。この確率は脳が元気かどうかに著しく依存する。しかし、つまり、逆に言えば、「頑張れば聞き取れる」ことはわかっている。このあたりが難しくて、同じ状況での聞き取り可否に再現性がない。

歯医者で「保険証お願いします」が聞き取れず、4回聞き直したことがある。3回目で「わからんけど保険証のことかな……?」と思いつつ再度聞き直したらそのとおりで、無事保険証を提示することに成功した。このレベルは流石に脳がドチャクソ疲弊している時に限るが、似たようなことはちょいちょいあって、どれも何かしらがあって疲れているときだ。

電車やバス、雑踏の中だと特に聞き取りにくく、何度聞き返しても結局わからないので「なるほどね」「はい」「㍂」「そう……」などを返してごまかしている。つまり、俺が「㍂」と返事したとき5割は「正直聞き取れんかったけど続けて」の意、残り5割は「㍂」の意です。




何が言いたいのかというと、聞き取れなくて推測で返事を渡した結果、アンジャッシュのネタの如く著しく噛み合わない会話が爆誕することがあり、後から激しく後悔するので、聞き取れなさそうな環境(電車・バス・雑踏etc.)では会話をやめて神妙にするか、ちゃんと聞き返すか、メモアプリで筆談するかのいずれかにしようと決めた。

*1:人間をアルファベット数文字の型に嵌めようとする態度、正確にはその嵌った型を印籠のように振りかざす人間が好きでないので、俺がこれに該当するとは絶対に宣言したくないーーもちろん自分の症状を認識し、理解してもらうための枠として有用だとは思うし、認定されることで救われている人も大勢いると思うので、これは単なる個人の意地

*2:程度の差はあれどれもよくある話じゃないのか?とは思う

*3:聞き取れたとしても勉強不足により単語や表現の意味が理解できない

*4:他にも 1. 書記を担う重圧で集中力が増す 2. リアルタイムでまとめる作業を通して全体を理解できてオトク 3. 単にまとめるのがオモロい などの理由があり、前述の特性にかかわらず書記はやり得だと思っている